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ストレスの仕組みが分かれば対処できます (2)

続編です。

仕事をしている世代で多くの方がストレスを抱え、女性は男性よりも1割ほど多くの人がストレスを抱えていること、そして6つのパターンのストレス解消法について前回は述べました。

今回は、「そもそもストレスって何?どういう現象?」ということについて触れていきます。これを知ることで、正しい対処法が分かるからです。

ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことを言います。身体や精神にストレスが加わることで、引き起こされる反応は大きく言えば3つあります。

  1. 副腎髄質の活性化
  2. セロトニンの分泌低下
  3. 交感神経の活性化

1の交感神経は血圧、脈拍、呼吸、内臓の運動、睡眠、体温、排尿、排便などの生理機能を調整しています。交感神経が活性化すると、血管が収縮して、呼吸は早くなり血圧は上昇し、内臓運動が停止して排尿や排便が停止され覚醒状態になります。ストレスを受けると、脳の前頭前野の支配が弱まります。前頭前野は記憶や感情を制御して行動を抑制するなど、高度で理性的な精神活動を司ってます。これが弱まり、変わって視床下部の支配が強まります。視床下部は交感神経を含む自律神経や内分泌の中枢として機能しており、また、食欲、性欲、疼痛、口渇などの中枢もここにあります。血圧が上がりやすい、内臓の動きの結果としての下痢や便秘、不眠や眠りの浅さなどは、ストレスによる交感神経の活性化も影響している可能性があります。

2の副腎髄質も視床下部の支配と関係があります。視床下部から分泌されるあるホルモンが脳下垂体を刺激し、脳下垂体から分泌される別のホルモンが副腎髄質を刺激します。この結果、副腎髄質からストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールが分泌されます。これが血糖値や血圧上昇を引き起こし、タンパク質や脂質の代謝を誘発して、免疫抑制も引き起こします。

刺激された副腎髄質からはコルチゾールと呼ばれる、いわゆるストレスホルモンが分泌され、血糖値や血圧の上昇を引き起こし、たんぱく質や脂質の代謝を誘発し、免疫抑制なども引き起こします。コルチゾール自体はストレスに対抗するだけではなく、他の有益な役割があります。コルチゾール分泌も正常なバランスが大事です。これが崩れると、慢性疲労や集中力低下、免疫力低下につながり、例えば風邪をひきやすくなったりします。これらは、副腎疲労の症状です。

ちなみに、副腎疲労はストレスだけではなく、リーキーガット症候群でも起きます。その名のとおり「腸漏れ」という病気です。腸粘膜が傷付いて穴が開き、腸から食物の分子や腸内細菌、病原菌が漏れ出る病気です。近年、食物アレルギーが増えているのもリーキーガット症候群が原因ではないかと言われています。栄養素が消化不良の大きな分子の状態で体内に侵入すると、抗原と認識してしまい、IgE抗体によるアレルギー反応を引き起こすからです。腸内細菌が十分に働いていないと腸の粘膜は正常に修復されません。腸内環境を整えることが大事ですが、食生活そのものにも原因があります。それはリーキーガット症候群のもう一つの原因のグルテンの摂りすぎです。パン、ラーメンやうどん、パスタなどの麺類、小麦の焼き菓子、スイーツなどの人気メニューに使われる小麦ですが、過剰摂取は要注意です。

コルチゾール値は「笑う」ことでも低下するという研究があります。これは免疫力を高めるNK細胞が活性化するためで、その結果コルチゾール値が低下します。また、コルチゾールは適度な有酸素運動で減少します。ウォーキングやジョギングなどです。ウォーキングをした後に、笑いながら、ご飯と味噌汁を食べる食生活をすれば、この1と2の原因によるストレス対策には良いかもしれませんね。

3のセロトニンは脳の興奮を鎮めて精神を安定させ、食欲のコントロール、疼痛の抑制などの働きをします。幸福感を高めるのに役立つことから、幸せホルモンと言われています。ストレスが加わると脳内でのセロトニン分泌が低下し、精神的に不安定になりやすく、恐怖感や不安感を強く感じるような状態に陥ってしまいます。これは、ストレスによって脳内に発生した炎症性サイトカインが、トリプトファンからセロトニンを合成する過程を阻害するためです。セロトニンが不足すると、精神が不安定になったり、不安や恐怖を感じることもあります。そのため、セロトニンの分泌をいかに高めるかがとても重要です。

セロトニンは前頭前野や大脳皮質に行き渡ります。ストレスで前頭前野が弱まり、視床下部が支配的になってしまうアンバランスを矯正してくれます。日本精神神経学会で公表された研究によれば、丹田呼吸法が前頭前夜とセロトニン神経を活性化させるそうです。臍の下の丹田でゆっくり呼吸をすることは、座禅や瞑想にも共通し、また武道の呼吸法でも同じです。面白いですね。

セロトニンを増やす鍵は日光と食生活です。光は2500-3000ルクス必要で、曇りの日の太陽光は10000ルクス程度しかありません。起床後から正午までに屋外で15-30分程度の日光浴を行うのが理想的です。もうひとつの食生活はですが、セロトニンの原料となるトリプトファンはバナナ、赤身魚、赤身肉、レバー、鶏肉、卵、ナッツ類、乳製品、アボカド、トマト、大豆製品、そばに多く含まれています。しかし、腸内で作られたセロトニンは身体のバランスには良いものの狭い脳内関門を通過できないので脳には作用できません。一方で高級な日本茶に含まれるテアニンは小さなアミノ酸なので脳内関門を容易に通過してセロトニンを生成します。ZENJIROが高級な美味しい日本茶にこだわるのは、この作用によって飲むとリラックスできて幸せを感じることができるからです。

前回、ストレス解消法で6つのパターンに整理しました。時間がなければできない方法では日常的に取り入れることができません。食事をしたり、お酒を飲んだり、ゲームをして過ごすのも悪くない方法ですが、食事の内容やゲーム時間によっては、かえってストレスを悪化させてしまい逆効果です。美味しい日本茶をアレンジして飲みやすくしたり、メニューに変化をつけたりすることで、時間がなくても手軽で効果的なストレス解消法になります。

ちなみに、筆者の日常生活のルーティーンは、起床後に前の晩から水出しで作り置きした冷たい煎茶を飲みます。そして日の出の頃に、1時間ほどのウォーキングに出かけます。リラックスして肩の力を脱力し、大股で丹田から良い姿勢で歩きます。途中の公園で10分ほどストレッチをします。帰宅後に、シャワーを浴びて、ごはんと味噌汁と前夜に残しておいた肉や魚と一緒に食事をして、もう一度煎茶かほうじ茶を飲みます。仕事中はJAZZをBGMにコーヒーも飲みますが。どちらかと言うと朝型の生活です。夜はお酒も飲みますが、深酒はしません。習慣化された普通の生活を続けているだけですが、ストレスとは無縁の生活で不眠症になったこともありません。

皆さんもストレスフリーな生活を楽しんでください。

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