現代はストレスに溢れているストレス社会と言われています。天然の食料も豊富で、外敵となる獣などもいない自然たっぷりの環境で、テレビもスマホも使用せずにひとり暮らしをしていれば、ストレスなく生きていくことはできるかもしれません。なぜならば、ストレスは外部からの不快な刺激によって引き起こされる反応だからです。
ストレスは、年齢や性別でも異なる傾向があります。2019年の厚生労働省「国民生活基礎調査」によれば、女性はどの年齢でも男性よりも約10%ほどストレスの割合が高い傾向にあります。年齢的には共通で30歳〜59歳までがストレス割合の高い時期です。そして、60歳以上のリタイア年齢になると急激に10%ほど下がり、19歳までの少年期に近い水準までストレス割合が減少します。仕事や結婚・家庭、子育て、住宅ローンなどの働く世代が、外部から不快な刺激を受けていることを如実に物語っています。それらから解放される60歳以降は急激にストレスが減るのもうなづけます。
全く刺激がない生活も問題で、適度のストレスは必要です。問題は心身に悪影響を及ぼす過度なストレスです。過度のストレスになるような外部からの不快の刺激は人さまざまです。
仕事がうまくいかない、何度も失敗する、上司や同僚にいじめられる、誰も自分のことに関心を示さない、細かいことでたびたび非難される、今の仕事をしていても明るい将来が見えない、忙しすぎて自分の時間が取れない、などの仕事の悩み。
夫や妻や恋人などのパートナーがいつも文句を言う、友だちの中で最近仲間はずれにされる、同居人の嫌な部分しか目につかない、近所の音に悩まされるなどの対人関係。
人生にやりがいがない、SNSでの評判が気になるなどの自己の問題。どれもがストレスの原因になりうるのです。
過度なストレスの症状の例をあげます。気持ちが沈む、イライラする、怒りっぽくなる、やる気が出ない、集中力や注意力の低下する、楽しいはずのことなのに興味が持てない、なぜか悲しくなる、「どうせうまくいかない」と悪い結果ばかり考える、重要な決断ができない、自分が無価値だと感じて自分を責める。これらは過度のストレスによる心の症状で、ネガティブな精神状態になります。
一方で、眠れない、熟睡できない、寝すぎてしまう、食欲が低下する、逆に暴飲暴食する、全身倦怠感や疲労感がある、頭痛やめまい、肩こりや腰痛、動悸や息切れ、腹痛や便秘や下痢、ふと涙が出るなど。これらは身体の症状です。これらの症状を放置すると、病気にまで進展することもあります。肥満・高血圧・糖尿病・高脂血症・うつ病もストレス関連疾病であり、最悪の場合は脳卒中や心臓病の発症に至ります。
これに対して、2022年にある民間会社が全国の男女3,013人を対象に「ストレスの解消方法に関する意識調査」を実施し、そのデータを30位までのランキングを集計しました。ストレスの解消には6つのパターンがあります。休息型・運動型・親交型・娯楽型・創作型・気分転換型です。この民間会社の調査結果を当社が独自に手を加えて6つのパターンで再集計すると、最も多いのが休息型と娯楽型。寝る、音楽を聴く、お風呂に入る、お茶を飲む、瞑想をするなどの休息型と食べる、歌う、動画を観る、ゲームや漫画、ドライブ、お笑い番組を観るなどの娯楽型です。次が気分転換型で、買い物をする、旅行に行く、掃除をする、押し活をするなどです。運動をするタイプも料理を含む創作活動に励む場合もあります。
これらの中で、まとまった時間を用意しないとできないストレス解消法は順位が低く、願望はあるけれどなかなか実現できないことが分かります。時間をかけずに手軽にできるストレス解消法に人気があるようです。テアニンの作用によってストレス解消に役立つ煎茶や抹茶などの人気が高いこともうなづけます。(このテアニンの作用については、本コラムでも紹介していきます。)
続く