茶話

【完全保存版】日本茶とテアニンの徹底解説

テアニンって何?

テアニン(L-Theanine)は多くの食品の中でもお茶のみに含まれるアミノ酸で、お茶の代表的なうま味成分です。紅茶にも多少は含まれますが、酸化させない不発酵の緑茶、特に玉露や一番茶の高級煎茶などに多く含まれています。タンパク質合成に利用される約20種類のアミノ酸のうちの8種類の必須アミノ酸ではありませんが、テアニンにはさまざまな機能があり注目されています。8種類の必須アミノ酸は偏っていてはダメでバランスよく摂らないとタンパク質合成されませんが、テアニンはその摂取量に制限はありません。

何に効くの?

テアニンを多く含む高級なお茶を飲むと気持ちがゆったりとしてリラックスできます。これは副交感神経が活性化されるためです。一方で、玉露や高級煎茶はカフェインも含まれます。カフェインは興奮作用があるので矛盾しているように思えますが、テアニンと同時に摂取することで興奮が抑制されることが報告されています。リラックス状態になると脳の中にはアルファ波が出てきます。座禅の時にも出る脳波として有名ですね。これによってストレスが低減され、集中力が向上し、起床時にはリフレッシュされます。血圧の上昇も抑えてくれます。

まだまだあります。月経前症候群、統合失調症、睡眠の質を改善してくれます。まあ、いろいろありますが当然です。お茶は古くから薬草の一種として考えられてきたのですから。最近になって科学的に証明され出したにすぎません。
私も朝起きると前の晩に水出しで作り置きした冷たい煎茶(ちょっとお高い当社の煎茶)を一杯飲みます。絶好調ですよ♪

それだけではありません。感染症の脅威がある昨今、注目すべきは自己免疫力をアップさせる効果です。ワクチンはウイルスの感染突起の形状ごとに適合しないと効かないため、ウイルスが変異して形状が変わってしまうと使えませんが、自分の体の中の防衛隊である自己免疫機能は万能です。ちょっと難しい話になりますが、ご容赦ください。

免疫力を高めるのはグルタチオンというアミノ酸の結合体です。グルタチオンは、免疫力を高めるだけでなく、カラダの中の抗酸化に大きな役割を果たしてくれます。細胞の酸化を還元してくれたり、薬物や異物の解毒も担ってくれます。そのため、老化防止や飲み過ぎの方に多い脂肪肝の予防、放射線障害の予防や白内障の進行にも効果があります。免疫力ではグルタチオンによってNK細胞という免疫細胞の中でも最も強力な細胞を活性化したり、修復したりしてくれるのです。
グルタチオンは飲んでも作られません。シスチンとテアニンの2つがあってはじめて体内で作られます。シスチンもアミノ酸の一種で、肉類や玉ねぎ、ニンニク、ブロッコリー、芽キャベツなどに含まれています。そこに、緑茶のテアニンが加わることで、グルタミン酸が作られ、グルタチオン量が大幅にアップし、免疫細胞を活性化します。バランス良い食事と高級茶がリラックスという心の贅沢だけではなく、いかに大事なのかがよくわかります。

どうしたらできるの?

そもそもテアニンってどうしたらできるのでしょうか?

テアニンは茶葉の光合成でできるわけではありません。茶の木が根から栄養を吸収して、最初は根元の方で作られます。それが、葉の成長とともに葉の方に移動していきます。玉露に関するブログで、平地で栽培される玉露の茶葉は窒素肥料を大量に使うと書きましたが、その理由がここにあります。テアニンは、成長が旺盛なシーズンの最初の茶葉に多く含まれます。八十八夜の一番茶が愛されるのは、日本人はそれを自然に知っていたということになります。二番茶や三番茶は少なくなり、秋冬番茶になるとほとんど含まれません。

テアニンは、茶の葉のほうに移動すると光合成の作用でエチルアミンとなり、それがカテキンへと変化します。玉露や抹茶材料の碾茶などの被覆製法は茶葉への日射をカバーすることでテアニンが減りカテキンになってしまうのを防ぐ意味があります。

被覆製法以上に自然環境の恵みは霧が発生する高地での栽培です。霧は被覆と同じ効果です。光が弱いとテアニンはエチルアミンに分解されずカテキンに変化しません。高地だと夜は空気が薄いため冷え込み、成長のための栄養を消費しません。その結果、成長が遅くなり、テアニンが茶葉に蓄えられ美味しいお茶になります。肥料は成長を加速するのでかえって逆効果になってしまいます。そのため窒素肥料がなくてもテアニンが蓄えられ、有機JASにも適合する天然の玉露をつくることができます。
このような奇跡の環境条件(テロワール)は滅多にありません。

おいしい飲み方は?

日本茶は淹れる温度で味わいも成分も変化する飲み物です。カテキンはフラボノイドなので熱湯で淹れても大丈夫です。しかし、テアニンはアミノ酸でタンパク質なので、高温になるとタンパク質変性を起こします。タンパク質の種類によっても異なりますが120度くらいが限界で、もっと低い温度でも変わります。そのため、煎茶は70〜80度、玉露は40〜60度と説明しているお茶屋さんが一般的ではないでしょうか?

当店では冷水茶法(水出し)をオススメしていますテアニンは冷水のほうが良く抽出されます。一旦、冷水でうま味をたっぷり抽出して、冷たい煎茶はそのままで、暖かい煎茶は加熱して飲みます。コップ一杯を電子レンジで1分チンしても100度にはならないのでテアニンは壊れません。
また、余談ですが、カテキンの4種類のうちのエピガロカテキン(EGC)も冷水で抽出されます。これはマクロファージという細菌を食べてしまう免疫細胞の働きを高めます。

まとめ

いかがでしょうか?テアニンのことを知っていれば、心にもカラダにも気遣って生活の質を高めることができます

当店オススメのテアニンたっぷりの煎茶は

ZENJIRO 煎茶 40g 1200円(税込)です。
商品はこちら

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